人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Ms.Lindaのバスケット


毎日を大切に。楽しく。LOVE。
by mslinda
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

今、宮澤賢治…そして高木仁三郎氏

このところ宮沢賢治の本を手に取ってみることがしばしばあります。

今まで宮沢賢治と言うと…実はその独特の表現にひっかかって躓いていたですが、
311以降、彼の自然に対する感覚が心にすとんと落ちてきます。



宮沢賢治をめぐる冒険―水や光や風のエコロジー

高木 仁三郎 / 社会思想社




高木仁三郎氏。

無知なワタクシは福島原発事故以降はじめて知ったお名前です。
wikiによりますと、
高木 仁三郎(たかぎ じんざぶろう、1938年7月18日 - 2000年10月8日)は、日本の物理学者、理学博士(東京大学)。 専門は核化学。

60年代、国の推進する原子力研究の科学者でありましたが、
その後、自由に意見を発することのできる市民科学者として「原子力資料情報室」を設立し、原発の危険性を訴え続けた方であります。
 
 *ご著書『原発事故はなぜ繰り返すのか』をご参照ください。


また、絵本も。
我が家の本棚にあったこの本は、キャンバス地に描かれた片山健さんの力強い絵とあいまって、自然の中に生きることの息遣いが聞こえてくる大好きな絵本です。
この絵本も、高木氏が文を書かれていたのですね。

ぼくからみると―どきどきしぜん (かがくのとも傑作集)

高木 仁三郎 / 福音館書店







さて、その高木氏が、科学者という立場から宮沢賢治を語っているこの上の一冊。
いくつか引用を。

ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
         「雨ニモマケズ」より


この一説に対しては、


私はこれは、科学者の心がけを言ったものとしては、とてもよくわかるのです。普通の現代の科学者だったら、日照りの時は、それを避ける技術的手段を考察するか、日照りの原因の解明に興味をもつでしょう。…中略…しかし、私の知る限り、今の科学者たちはまず人間として涙を流し、オロオロするところから出発しようとしない。その前にすべてをデータとしてクールに受け止めてしまう。そこに今日の科学の原点にある問題がひそんでいるのではないか、と私は感じるのです。そしてそういう思いで、もう一度この二行を読むとき、強い強い共感を覚えるのです。

と。


また、


すると、
雲もなく研きあげられたやうな群青の空から、
まっ白な雪が、
さざの毛のやうに、
いちめんに落ちてきました。
それは下の平原の雪や、
ビール色の日光、
茶いろのひのきでできあがった、
しずかな奇麗な日曜日を
一そう美しくしたのです。
        「水仙月の四日」より


この一節に対して高木氏は、


「水や光や風ぜんたいが私なのだ」と書いた賢治の自然の世界では、人が自然のなかに、限りなく透明にこのうえなく優しくとけこんでいる。そうすることでこそ、人は真に人となり、ほんとうの自由を獲得できると賢治は考えた。自然を人の勝手のままに荒々しく利用してきた文明が袋小路にはいったいまこそ、人と自然の優しい関係に新しい光をあててにたい。

と。


もし氏が生きていらしたら、この未曽有の被害をもたらした天災をどのように受け止められるであろうか。
また、その後の原発事故に対して何を言われるであろうか。



私の身の回りでも、もはや水や光や風や土と戯れることは難しくなりました。
母親として日々苦しい思いをしております。
ましてや福島県では…。
怒りや絶望が入り混じる毎日ですが、
子どもを守るためには希望を持って前に進んでいかなくては、と身を奮い立たせております。


で、開催されます。
お近くの方、ぜひお寄りくださいませ。


宮沢賢治 ー朗読のつどいー
「よだかの星」「水仙月の四日」
            朗読と紙芝居 吉田美智子さん


【日時】  2011年10月1日(土) 14~15時
【場所】  「いきいき会館」2階 多目的ホール (地下鉄グリーンライン「日吉本町」駅舎2階)
【参加費】 大人 1000円 小・中学生 500円 (小学生以上)
【申込み】 fukobo2616@kxe.biglobe.ne.jp(渡辺)
      「こどもの本のみせともだち」(℡045-561-5815)

by mslinda | 2011-09-20 15:27 | 本・絵本
<< 小さなバッグ屋さん in 絵本屋さん 息子のこと >>


カテゴリ
最新のトラックバック
ブログパーツ
フォロー中のブログ
リンク
以前の記事
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧